DV防止法の施行以後、精神科クリニックや相談室に来所するDV加害者が増えており、加害者の心理療法の方法論に関する研修の必要性が高まっています。しかし、加害者は言い訳や自分の考えの正当化などにより変化しにくく、臨床家にとって独特な困難を感じさせます。
この研修会では、DV克服を目指す男性の変化を、丁寧に、そして徹底して促進するための有効なアプローチを提供してきました。関心のある方のご参加をお待ちしております。
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【第31回例会テーマ:離婚後、DV加害者と子の面会交流問題を適正化する(1)】
DV加害者が離婚した後、子どもとの面会交流が大きな問題となります。被害女性が「子の成長のために必要」と考えて父親に合わせるケースでは、父親が相手に配慮を欠いてトラブルになりがちです。加害者には離婚されたことの恨みや、生活上の寂しさ・不安があり、身勝手な振る舞いとなって、果ては子に会えなくなる事態にも、なりかねません。従来の加害者プログラムには、離婚後の子や元妻との適切なあり方を導く内容が欠けている問題が、あります。今回は、加害者が、元妻側の事情や気持ちを適切に配慮する/家族ではなくても、父親として子の成長に貢献するためのノウハウを蓄積する――という側面の更生支援の実際を紹介します。また、加害者の内にある、元妻や子への独りよがりな考え・感情を整理するアプローチも、デモンストレーションを交えて紹介します。次回は、子に会えない加害者の問題を取り上げます。
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●このアプローチは被害者支援との整合性を大切にしており、被害者の面接にも大いに役立ちます.
●こだわりの強い加害者クライエントを揺さぶり、臨床家のペースに持っていく面接スキルがあります.
●加害者クライエントの面接に関して、戸惑いなく確信をもった方針で運営できるようになります.
●本研究会で学ぶスキルの多くはbrief therapyの応用で、他の困難ケースの面接に広く活用できます.
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〔日 時〕2025年8月9日(土)14:00~17:00 (終了後,懇親会を行います.) 〓2・5・8・11月、日曜日午後に開催〓
〔講 師〕草柳和之(大東文化大学非常勤講師/他)
〔参加費〕予約3,000円(当日=3,500円)、初回参加の方・予約2,000円(当日=2,500円)
〔会 場〕都内研修会場(最寄り駅:JR高田馬場駅) →→ご参加の方へ個別にお知らせします.
【予約申込:東京加害者臨床研究会事務局】
メンタルサービスセンター内 〒173-8799 板橋郵便局留
Tel.03-5926-5302/070・5016・1871
http://www5e.biglobe.ne.jp/~m-s-c/TOUKARINKEN-reikai.htm
※電話連絡の後に、参加費の振込みをお願いします。
■振込先 [みずほ銀行 桜台支店 (普)1438903 名義:メンタルサービスセンター 草柳和之]
〔備 考〕
※主催者都合の不催行を除き、納入額の払い戻しは致しかねることをご了解ください.
※この研修会の性質上、DV加害経験のある方のご参加は、ご遠慮いただいております。
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【講師「草柳和之」紹介:】
▲大東文化大学非常勤講師.メンタルサービスセンター代表・カウンセラー.長年,DV被害者支援に携わると同時に、日本で初めてDV加害者更生プログラムの実践と研究に着手、以来20年以上にわたる。その活動は新聞・TV・雑誌等を通じて広く紹介される. 日本カウンセリング学会東京支部会・運営委員.災害心理社会的支援に関する大学間ネットワーク・緊急時支援登録者.
▲著書に『ドメスティック・バイオレンス』(岩波書店), 共著『標準 音楽療法入門 下』(春秋社)、「災害と性暴力――性暴力をなかったことにしない、させないために。」(日本看護協会出版会),他多数.家庭裁判所・国の研究機関・自治体・弁護士会・大学・学会等から,幅広く講演や研修会の依頼を受けており, その優れた研修指導は多くの人々から支持されている.
長年のDV問題の先駆的取り組みが評価され、社会貢献支援財団より、平成27年度社会貢献者表彰を受賞した。
▲音楽によるDV防止キャンペーンのために,、世界的に活躍する作曲家・野村誠氏にDV根絶を願うピアノ曲を委嘱し,その曲を国内外で演奏して約20年に及ぶ。平和のための音楽会・ライブハウスのランチタイムコンサート・学会のミニコンサート・DV問題のシンポジウムなど、幅広い機会でピアノ演奏を行い,《世界の平和は家庭から》を訴えてきた.
資格:日本カウンセリング学会・認定カウンセリング心理士.NLPマスター・プラクティショナー.